ランディングページ(LP)の作り方は、「構成を決める → 各セクションの文言と画像を作る → 公開して数字で直す」の3工程に整理できます。デザインから手をつけると必ず迷子になるので、まず構成から入るのが最短です。この記事では、EC事業者が自分でLPを作れるように、決めるべきこと・定番の構成テンプレート・制作手段の選び方・公開後の改善まで、順を追って解説します。

そもそもLPとは何か(通常の商品ページとの違い)

LPとは、1つの目的(購入・申込・資料請求など)だけに絞って設計された縦長1枚のページです。ECの一般的な商品ページとの違いは、情報の並べ方にあります。

比較軸

通常の商品ページ

LP

目的

商品情報の網羅的な提示

1つの行動(購入・申込)に誘導

導線

カテゴリ・関連商品など出口が多い

出口はCTAのみ。離脱要因を削る

情報の順序

スペック中心

読み手の感情の流れに沿って再配置

主な流入

検索・回遊

広告・SNS・メルマガ

つまりLPは「読む順番まで設計された商品ページ」です。広告で人を集めるなら、通常ページをそのまま使うよりLPを別に用意したほうが成約率は上がります。逆に、指名検索で来る人には通常ページのほうが向くこともあります。流入経路によって使い分けるのが前提です。

作る前に決める3つのこと

ここを飛ばすと、途中で「この文章いる?」が判断できなくなります。作業を始める前に、紙1枚でいいので次の3点を書き出してください。

  1. 目的とKPI:何をもって成功とするか。ECなら「LP経由のCVR◯%」「CPA◯円以内」など数値で置きます。「認知を高める」のような測れない目的はLPには向きません。
  2. ターゲット:誰に読ませるか。年齢や性別より、「今どんな状態で、何に困っているか」を1人分だけ具体的に書きます。例:「30代・敏感肌・市販の化粧水が合わず何度も買い直している人」。ターゲットを2人以上置くと文章が薄まります。
  3. 訴求軸:数ある強みのうち、どれを主役にするか。価格なのか、成分なのか、手間のなさなのか。主役は1つ、残りは脇役に回します。全部並べたLPは、結局何も伝わりません。

この3点が決まると、以降の作業は「その訴求軸を信じてもらうための材料をどう並べるか」という一本の問いに変わります。判断に迷ったら、常にこの3点に戻って要否を決めてください。

定番の構成テンプレート(この順番で並べる)

LPの構成は業種を問わずほぼ定型です。迷ったら次の7セクションを上から順に並べてください。

セクション

役割

書き方のポイント

1

ファーストビュー(FV)

3秒で「自分向けだ」と思わせる

誰の何がどうなるかを1行で。商品画像+キャッチ+CTA

2

課題への共感

読者の悩みを言語化する

チェックリスト形式で3〜5個。読者の言葉をそのまま使う

3

ベネフィット

買った後の状態を見せる

機能ではなく結果を書く。3つに絞る

4

実績・お客様の声

信じる根拠を渡す

数値・第三者評価・レビュー。写真付きが強い

5

オファー

買う理由を今日にする

価格・特典・保証・返品条件を明確に

6

FAQ

最後の不安を潰す

問い合わせの多い順に5〜8問

7

クロージングCTA

行動させる

ボタン文言は「送信」ではなく得られるものを書く

1. ファーストビュー:ここで7割決まる

LPの離脱の大半はFVで起きます。かっこいいコピーより、「誰に」「何が」「どうなる」が読み取れるかが優先です。「肌にやさしい化粧水」ではなく「敏感肌でもしみない。アルコール無添加の化粧水」のように、対象と便益を具体語で書きます。スマホでは初回表示の大半がFVで占められるので、必ずスマホ幅で確認してください。

2. 課題共感:売り込む前に代弁する

いきなり商品説明に入ると読者は身構えます。先に「こんなことで困っていませんか」と悩みを並べ、読者自身より正確に悩みを言語化すると、その先の説明が信頼されます。ここはレビューや問い合わせメールから実際の言葉を拾うと精度が上がります。自分で考えた悩みは、たいてい抽象的すぎて刺さりません。

3. ベネフィット:機能を結果に翻訳する

「セラミド配合」は機能です。ベネフィットは「夕方になっても肌がつっぱらない」。機能を書いたら必ず「だから何が良いのか」を1行足す。この翻訳作業がLPコピーの中心です。数は3つが上限で、それ以上並べると印象が分散します。書き切れなかった強みは、下部の詳細スペック欄に回してください。

4. 実績・お客様の声:主観を客観で裏づける

売り手の言葉は割り引かれて読まれます。累計販売数、リピート率、受賞歴、レビュー件数と星評価、実名・写真つきの声。数字と第三者が入るほど効きます。ただし景品表示法・薬機法に触れる表現(効果の断定、体験談を使った効能の示唆、根拠のないNo.1表示など)には注意が必要です。

5. オファー:迷う理由を消す

価格を隠さない、送料と納期を明記する、返品・返金条件を書く。「初回限定」「◯個限り」といった限定条件は有効ですが、実態のない表示は法令違反になります。最も効きやすいのはリスクを買い手からこちらに移す設計、つまり返金保証や初回お試し価格です。

6. FAQ:問い合わせログがそのまま素材

実際に届いた質問を多い順に並べるだけで十分です。想像で書いたFAQはまず当たりません。サイズ感、使用期限、支払い方法、配送日数、解約条件あたりが定番です。ここで潰せた不安の数だけ、カゴ落ちが減ります。

7. クロージングCTA:最後にもう一度、同じ約束を

ページ末尾のCTAでは、FVで掲げた約束をもう一度短く繰り返します。ボタンはページ内に3〜4回(FV直下・ベネフィット後・お客様の声の後・末尾)置くのが目安です。スマホでは画面下部に追従ボタンを固定するのも定番の打ち手です。

制作手段の選び方:自作・外注・ツール・AI

構成が決まったら、それを形にする手段を選びます。判断軸は「予算」「速度」「更新頻度」の3つです。

手段

向いているケース

難点

完全自作(HTML/CSS)

社内に作れる人がいる。細部まで作り込みたい

時間がかかる。仕上がりが属人的

制作会社へ外注

主力商品で長く使う。戦略設計から任せたい

数十万円〜。修正のたびに費用と日数が発生

LP作成ツール(ノーコード)

自分で更新し続けたい

テンプレ感が出る。画像素材は別途用意が必要

AI生成サービス

商品数が多い。回転が速い。まず出して試したい

ブランド固有の世界観の再現には調整が要る

ECで詰まりやすいのは、実は文章よりも画像です。セクションごとにバナー調の画像が必要で、しかも全体のトーンが揃っていないと途端に安っぽく見えます。ここを外注すると単価が跳ね上がります。各手段の相場と内訳はLP制作費用の相場と内訳で比較しているので、予算を組む段階で目を通してください。すでにツール選定に入っているならAI LP作成ツールの比較が参考になります。

選び方の原則はシンプルで、売れるか分からない商品に外注費をかけないこと。まず安く速く作って数字を見て、勝ち筋が見えた商品にだけ制作費を投下する。この順序を逆にすると、在庫と制作費の両方が同時に寝ます。

公開後の改善:作って終わりにしない

LPは公開時点が最高完成度ではありません。初稿のCVRが目標に届くことのほうが稀です。公開後にどこを直すかを数字で決められる状態を、公開前に作っておきます。

まず計測を入れる

  • GA4:流入元別のCVR、直帰率、スクロール到達率
  • ヒートマップ(Microsoft Clarityなど無料ツールで十分):どこで読むのをやめたか
  • CTAのクリック計測:どの位置のボタンが押されているか

スクロール到達率が20%台で落ちているならFVの問題、末尾まで読まれているのに申し込みがないならオファーの問題、と切り分けられます。直すべき場所を数字で特定してから手を動かすのが鉄則です。感覚でデザインをいじり続けるのが、最も費用対効果の悪い改善です。

ABテストの基礎

やり方は3つのルールを守れば十分です。

  1. 一度に変えるのは1要素。FVのコピーとボタン色を同時に変えると、どちらが効いたか分かりません。
  2. 効果の大きい順に試す。FVのキャッチ、オファー内容、CTA文言の順。ボタンの色や余白の調整は最後で構いません。
  3. 十分な数が集まるまで止めない。CV数が片方30件程度に届かないうちの勝敗判断は、ほぼ運を読んでいるのと同じです。

アクセス数が少なくABテストが成立しない場合は、テストにこだわるより作り直して丸ごと差し替えるほうが速いこともあります。この判断ができるかどうかは、結局「LPを何本作れるか」という制作コストの問題に帰着します。

まとめ

LP作成の手順を整理します。

  1. 目的KPI・ターゲット・訴求軸の3点を先に決める
  2. FV/課題共感/ベネフィット/実績・声/オファー/FAQ/CTAの順で構成を組む
  3. 予算・速度・更新頻度から制作手段を選ぶ
  4. 計測を入れ、直す場所を数字で特定してから改善する

構成テンプレートは共通でも、実際に手が止まるのは「セクションごとの画像を、トーンを揃えて何枚も用意する」工程です。EC一発LPは、商品情報を入れるだけでこの画像一式をAIが生成するサービスで、外注なら10万〜100万円かかる制作を数千円・数分に置き換えるサービスです。まずは、構成を紙に書き出すところから始めてください。